ちょっと為になるサッカーのウンチク

ジダンのプロデビューは、リーグアンのカンヌ時代です。その後、同じフランスのボルドーを経て、イタリアセリエＡの名門ユベントスへ移籍します。当時のセリエＡは、世界中のスーパースターが集う世界屈指のリーグでした。カテナチオと呼ばれる守備の意識が高いセリエＡにおいては、豊富な運動量やフィジカルの強さが求められます。もともと持っていたテクニックに加えて、体力面を強化したことで、スターの位置を不動のものとしました。そして、レアルマドリードへの移籍です。レアルは、ヨーロッパクラブナンバーワンを決めるUEFAチャンピオンズリーグで、世界最多の優勝回数を誇る超名門クラブです。
数々のタイトル獲得に貢献し、バロンドールやFIFA最優秀選手にも選出されました。

ジダンのプレーは、マルセイユルーレットと呼ばれ、相手選手を優雅に抜き去っていきます。ピッチ上では、サッカー選手でありながら、芸術家のようでもありました。観る者を魅了する華麗なテクニックに加え、卓越した戦術眼に得点能力も兼ね備える、真のスーパースターでした。中でも印象的なのが、レアル時代の０１－０２シーズンＣＬ決勝におけるボレー弾です。
１８年経った今でも、史上最高のゴールとも言われています。記録だけではなく、ファンの記憶にも残る名選手なのです。

名選手、名監督にあらずという格言がありますが、ジダンには当てはまらないでしょう。レアルマドリードの助監督などを経て、２０１６年にトップチームの監督に就任しました。史上初のＣＬ３連覇や監督としてもFIFA最優秀賞を受賞しました。
一度は、成績不振の責任を取って辞任しましたが、２０１９年に再度就任し現在に至っています。選手としても監督としても一流を極めた彼の才能に疑いの余地はありません。フランス国民にとって英雄中の英雄なのです。